2018年に15年振りに一人暮らしを始めたオレは、誰もいないのをいいことに全裸になって才ナ二ーをしまくっていたが、むっつりスケベのオレは、隣の部屋に人が居る時には世間の目が気になってしまう為、キッチンの方で床に全裸で寝転んでマスタリング作業に及んでいた。
才ナホも使っていたが定期的に「才ナ二ーはもう卒業して禁欲的に生きよう」と思い立ち、そのたびに処分して、その後しばらくしてそんな誓いもケロリと忘れ、再び才ナホを買うというダメ人間ライフを送っていた。人が生まれ変わったり長い年月の習慣を変えるには生半可な覚悟ではダメだった。オレにはそういう覚悟が足りなかったのだろう。正確に言えば、誓いを立てている時には本当の本気で覚悟を決めているのだが、時間が経過したり何かしらの刺激やストレスなどが掛かると一気に気分も性格も価値観もガラリと変わってしまい、自分でも予測も制御も困難なため、才ナ二ーやAV見るのをなかなか辞められず、これを書いている2022年12月の41歳まで毎日葛藤し続けている。
毒親の元で育ったギフテッドなのかただのADHDなのかよく分からないオレは基本的に自尊心が低く、ちょっと嫌なことや失敗があるたびに自虐的になってしまう。そんなオレが生まれ変わったり、才ナ二ーを辞めるには女の励まし、褒め言葉、女との良い人間関係、特に恋人が必須なのだが、そもそもの女と関わろうとする最初の時点で「オレはどうせ変態だから気持ち悪がられてしまうし、変態なのを隠して関わってもただの偽りの関係だし」という風になってしまう。「普通の女と仲良くなる為に変態なことを辞めよう」とか、「変態なことを卒業する為にちゃんとしたまともな女と関わろう」という思考にはなかなかなれない。
女を好きになれば自ずと辞めるんだろうけど、自分でも予測不能な自分の気分の移り変わりを考慮すると、また元に戻ってしまいそうだ。もはや自分で自分が信用出来ない。脳を手術すれば良いのだけど、今のところそういう技術は無いか、あっても認可されていない。薬である程度の制御は可能だが、完全ではない。薬によっては気分の波は落ち着くんだけど、不安などが落ち着くと今度は軽い軽躁状態的になり、世界と一体化したような恍惚とした気分(てんかんや躁うつ病患者や麻薬体験者なら分かるかもしれない)になって、女に抱きついて永遠の時を感じたくなってしまう。
真面目にも変態にもなりきれないという、20年にわたる葛藤の日々に疲れ果て、変わりたくても変われないオレは2019年の春になると本気で死亡したくなり、練炭とコンロを買い、試しに部屋で火を付けたが怖くなってしまった。
その後どうせ死ねないなら20年間作り続けてきた音楽を録音して配信しようと思い立ち、現在まで活動を続けているが、才ナ二ーは辞められず、ネットで女と知り合っても才ナ二ーの話をしてキモがられることがしばしばあった。
音楽をやっている時の綺麗な方の自分も嘘偽りのない本当の自分ではあるが、その気分は長続きせず、路上で発情対象の女を見かけるともう頭の中はその女でいっぱいで、その女に似た女のAVやロエ画像を探して才ナ二一をするということを何百回と繰り返してきた。どうしても頭を別のことに切り替えられない。
インスタで音楽を投稿してフォロワーを増やしても、自分の綺麗な部分だけ見せて見栄張ってることが馬鹿らしくなり、ときどき自虐的に変態な内容の投稿をしてフォロワーを失うということもよくあった。
音楽やデザインなどを通じて女とつながって彼女を作りたいが、変態な所を隠してることに罪悪感を抱いてしまう。
ずっとひとりぼっちで創作活動に励んでいたが、2020年の秋になると無性に人恋しくなり、世ックスしたくてたまらなくなってしまい、かつてサクラに踊らされただけで終わってしまった出会い系に約20年ぶりに手を出したが、なかなか出会えず、パパ活や援助目的の女や業者だらけだった為、あきらめてハロウィンの日に例の10万給付金を使って風俗へ行った。
その後1年間またひとりぼっちで創作に励んでいたが、2021年の秋になるとまた無性に人恋しくなって世ックスしたくてたまらなくなり、またしても出会い系に手を出してしまった。昨年のリベンジをしようと思い、素人じゃなくていいから一度は実際に出会ってみたいと思ったオレは業者じゃなさそうな個人風俗の女にメールを送って後日会ってみると、普段はちゃんと風俗店で働いているプロだった。帰り際にLINEを交換してもらった。
その女とはその後プライベートな関係を持つようになり、何度か世ックスをしたが自分も相手もメンヘラなところがあってケンカになったりいろいろあり、すぐに関係が壊れてしまった。だがずっとひとりぼっちだったオレにはいい思い出になった。作品をこの世に残して自殺しようとしてたのに、まさか風嬢と恋人みたいになって世ックスまでしちゃうとは考えてもみなかった。人生何が起こるかわからない。
だがその女と関わっている時も、オレは本当の自分を隠して無理に普通を演じていた為、世ックスをしても心の底は虚しかった。
その後何度かサロンピに通っていたが、金が無くなり生活保護を受けるようになり、カード破産に追い込まれた為、俗風へ行けなくなってしまった。
40歳になり、さすがに今までの勢いややる気も失せてしまい、物事への関心も無くなり、性欲も以前ほどは無くなってきてしまった。正確に言うと、性欲がある時はものすごくあるんだけど、鬱や不安の症状が増し、それに伴って性欲も全然無くなるという日が多くなった。それでも路上で女を見かけると追いかけたり抱きついたり髪の匂いを嗅ぎまくりたくなってしまう。もう人生終わってるし痴漢でもしようかなという気分になる時もある。
20年前のハタチの頃から抱いてきた性欲に対する葛藤は40歳になった今でも進行中である。
Part⑥ 総括編へ続く