紀伊の音

ADHDクリエイター紀伊原ひろの器用貧乏なブログ

4年前に死にきれずに始めた創作活動の振り返り④ 2019年のデザイン業

パート③

 

2019年の5月から音楽と並行しながらロゴやイラスト系のデザインをやりはじめたが、実積やポートフォリオもなく、いきなりクラウドワークスなどを使ってデザインの仕事を受注するというのは無理だったし、何より人が怖くて苦手な引きこもりのオレはなるべく人と関わりたくなかったし、日本の堅っ苦しい敬語が苦手で嫌いすぎるしそういう苦手なことをしてると一気に死にたくなってしまうため、Suzuriみたいな、デザイン画像をアップロードしてオリジナルTシャツやステッカーを作って販売出来るサイトを利用することにした。注文が入ってからプリントされるPOD(プリント・オン・デマンド)サービスだから資金はかからなかった。発送もカスタマーサポートもやってくれるため、人が苦手すぎて20年間ずっと死にたかったオレにとってはグッドモーニングなサービスだった。

 

日本にはこういうサービスは少なく、息苦しくて生き辛い日本社会にうんざりしていたオレはZazzleREDBUBBLETee Publicなど海外のサイトを使うことにした。日本のSuzuriも少し使っていたが、GMOが嫌いだからすぐに使うのを辞めた。「日本はもう少子化でいろいろ終わってきてるから外資を稼ごう!」などと息巻いていた。

 

はじめの数ヶ月はEtsyで画像そのものを販売していたが売れない上にサイト(ショップ)をいくつも管理するのが時間的にも精神的にもきつかったため辞めることにした。Etsyに関しては顧客と直接やりとりする必要もある為、人が怖いオレはあんまりやりたくなかった。PODサイトでは単に画像をアップロードするだけじゃなく、画像の位置を調整して商品を作成したり背景色を数パターン用意したりする必要があったり、同じ作業を他のサイトでも繰り返さなくてはならず、精神的にかなりきつかった。

 

Society6ThreadlessCafepressも少しだけ使っていたが、使い勝手やデザイナー達からの評判を考慮して3つに絞ることにした。

 

海外サイトで得た所得に対して、海外・日本の両方で二重に課税されてしまうことがあるので、海外での課税・源泉徴収を免除してもらうためのPDF書類(W-8BEN)ダウンロードしてマイナンバーなどを記入して提出する必要があったり、収益を受け取る為のPayPalアカウントの住所を英語表記に変えたりといろいろ面倒だった。

 

ベクター系のアプリは素人だったため、使い方を覚えながら作業していた。Vectornatorっていう無料で入手したアプリを使っていて、20231月現在まで愛用している。このアプリはillustratorと違ってiPhoneでも使えるしAI形式で書き出せるため、オレにとってキラーアプリになっている。

 

なかなか売上を上げることが出来ないでいたが、ZazzleのフォーラムやFacebookグループ、PODで稼げた人のブログを見ると「自分も最初の1年〜2年は全く稼げなかったからあきらめないで」みたいなことがよく書かれていて、それを励みにしながら奮闘していた。

 

「自分に合ったターゲット層、ニッチ市場を見つける必要がある」的なことがデザイン業に限らず他のビジネスでもよく言われているが、それを見つけられずにいた。

 

当時はトランプが話題になっていたからそういうトレンドやハロウィン、クリスマスなどの季節限定イベントを題材にしたり、その時に自分が興味を持ってることを題材にしたりしていて、方向性やテーマは特に決まっていなかった。

 

「ファインディング・ニモ」シリーズを見てたらその影響で魚のデザインをやり出したり、スナック代わりに煮干しを食べるのがブームだった時にはChobyというアンチョビのキャラを作ってシリーズ化しようと企てたり、カーリングがマイブームになるとカーリングを題材にしたデザインをしたりなど、行き当たりばったりでADHD全開だった。カーリングデザインは一番売れたというかそれしかほとんど売れなかったので、カーリングデザイン専門店にするアイデアもあったがお蔵入りした。

 

「ファインディング・ニモ」シリーズを見て思いついた、Zazzle.comのビーサン用デザイン。
1足も売れなかったから自分で買うかね

 

2019年末には自分の中で10年ぶりにカーリングブームが起きた。
北米では日本よりカーリングがメジャー(?)なおかげで2023年1月現在までの間にときどき売れた。右のフリスビー(Zazzle)も1つだけ売れた。

 

漢字を元に作ったロゴというかピクトグラム的な物をいくつか作っていたが、いろんなことに一気に着手して時間が足りなかったし、ただでさえ悪いアジア人のイメージがコロナや最近の中国の影響によって悪化したため差別されて売れないだろうと判断し、お蔵入りすることにした。LINEスタンプにするアイデアもあったが、日本人に売れてもあんまり嬉しくないという理由から却下した。

 

漢字の「雪」を元に作ったピクトグラム風のデザイン
聴覚過敏で周りが気になるADHDのくせにカフェでイヤホンしながら無理矢理作業していた
1つも売れなかった

 

このブログのように哲学的なことや自分の考えを書くブログをずっとやりたいと思いながらも音楽とデザインで手一杯だったため、ブログの代わりに哲学や考えをデザイン化しようと考えたりしていた。

 

PODサイト側で用意されている商品から着想を得ることもあり、名刺用のデザインやビーチサンダル用のデザインを作ったりした。

 

名刺用の幼稚なデザイン
(電線に沿って名前や住所を入れる)
鉄塔が好きというか、つい見入ってしまう

 

元々ロゴデザインをやりたいと考えていて、ロゴ系のデザインや、ロゴを作る時のようにあるモチーフから別のモチーフを連想し、モチーフ同士をミックスさせたようなイラストやデザインを描くことが多かった。

四分休符を使った「四分休憩」ロゴ
はじめてベクター系アプリを使って綺麗に作った記念的な作品で、自分のポートフォリオサイトのシンボルにも使っている。
画像はZazzle.comのギターピック
 
窓と壁に掛かったスキーで作った星条旗デザインのクリスマスバージョン
靴下がちょっとだけ売れた(オレも欲しい)

 

20195月から始めたショップ運営だが、年内に売上を上げることは出来ず、翌2020年の7月になってようやく最初の売上(Curling Rocks Tシャツ)を達成することとなった。

 

元々は音楽作品をこの世に残して自殺するつもりだったのに、ショップをやり始めたらそれを成長させることに夢中になり、気付いたら趣旨が変わってしまっていた。

 

つづく

 

 
©Hiro Kinohara
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