夏は1年前にリリースした「Sea Legs」(→パート19)にコーラスを加えた。
障害年金を受け始めた2014年からずっと労働による収入はなかったが、クレカの借金に追われ本気で金を稼がなくてはいけなくなっていた。
2020年からずっと「いざとなったらロゴデザインで稼ぐ」と言いつつも先延ばしにし、2021年は音楽にほぼ専念していて、「2022年になったらやる」「春になったら」と言ってきたが、ついにCrowdWorksを使ってロゴデザインの仕事に挑戦した。
ネットで検索してクラウドソーシングでロゴデザインをやってる人のブログを読んだりしてノウハウを学んだ。ベクターデザイン用のアプリはVectornatorを使っていたが、それで書き出した納品用のAIファイルの最終チェックをするために業界標準のAdobe illustratorのサブスクリプションに登録して基本的な使い方を勉強した。
2019年と2020年にやっていたTシャツ・ステッカーなどの販売用にデザインした作品をポートフォリオ代わりにし、ロゴ専用のポートフォリオサイトも作り、自分のSNSやYouTube用に作ったロゴなどを並べた。
ロゴデザインの案件は実績やポートフォリオを発注者に見てもらって契約を結んでから作業に入るという形式よりも、デザイナー達が作品を提出し、選ばれたデザイナーだけが報酬を貰えるコンペ形式で募集されていることが断然多く、直接契約したくても実績ゼロでポートフォリオの作品数も少ないから難しいだろうと判断し、とりあえずダメ元で1件だけコンペに応募したが、残念ながら採用はされなかった。報酬は得られなかったが、作品履歴を充実させる目的も兼ねていたので無駄にはならなかった。
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占い・風水系ロゴの案件に応募した作品 陰陽マークや四葉のクローバーなどをモチーフに作成 |
早急に稼がなくてはカード代を払えないため焦っていたが、そんなにすぐ稼げるようにはならないだろうと判断し、払えない分はとりあえず親に借りることにした。
7月分のカード代は払えたので、また金が足りなくなる8月末までに稼げばいいということになり、いざとなったら親に頼もうという甘えもあってロゴデザインを中断し、夏のうちに絶対にリリースしたかった「戦場のヒマワリ」という曲の制作に取り掛かることにした。
借金に追われて切羽詰まっていたにも関わらずまったく金にならない音楽制作をやるなんて馬鹿げた話だが、23歳の時(2005年)に作曲した「戦場のヒマワリ」には思い入れがあり、自分が書いた名作(隠れ名作)の一つでもあったし、ちょうど40歳である2022年で音楽はいったん卒業しようと思っていたので絶対に2022年の夏中にリリースしたかった。
戦争の曲だが、ロシアのウクライナ侵攻に合わせたわけでは無く、曲名も昔から付けていたもので、むしろYouTube広告を出す際に曲名と説明文の変更を余儀なくされてしまったほどである(戦争関連の広告は禁じられている)。戦争をネタに小遣い稼ぎしようとしてると思われたくなかった。コロナもプーチンもタイミングが悪すぎた。
「自殺する」と言いつつなんだかんだと生き続け、この15年の間ずっと「死ぬ死ぬ詐欺」をして、通報されて警察から電話が来たこともある構ってちゃんのオレはまたしても「あと一曲だけやったら自殺する」とインスタのストーリーに投稿してしまった。さすがに40歳のオヤジが構ってちゃんしても痛いだけだからその後はしなくなった。
だが若い女の子に「あなたが作る音楽好きだから死なないでください」とコメントされて嬉しかった。
人生どうでもよくなって犯罪的な思考になっていた春のあいだ、集中力とやる気を欠きながらも「ヒマワリ」のギターを大部分録音していたが、その後しばらく放置していた。
戦争映画のエンディングテーマにも使えそうなこの曲は歌の無いインストでも十分だった。メロディを付けたこともあったが、結局は歌無しのほうが良かった。どのみちボーカルを入れる時間もなかった。
歌が無く、ギターもエレキなのでスタジオに行く必要はなかった。公園や近所の路上でギターをiPadにつなげて録音した。
もう音楽制作が嫌になりつつあり、生きる気力もなくなってきてしまい、時間も押していたのでギターの音作りやEQにはあまり時間をかけなかった。ベースもギターの6弦をなぞるだけにし、ドラムもGarageBandのAIドラマーをメインで使った。
YouTube用の動画は近所の花壇に咲いていたヒマワリをiPhoneでビデオ撮影し、その映像に軽くエフェクトをかけただけのシンプルなものにした。
なんやかんやと時間がかかり、夏も終わりに差し掛かった8月下旬にようやくリリースし、金も無いのにまたしても分割払いでYouTube広告を出し、3k再生くらい行ったところで停止した。
相変わらず中途半端なクオリティでのリリースとなったが、この曲は大好きで、プロのプロデューサーやエンジニアに仕上げて貰えばなかなかの名作になるだろう。
夏の間は毎日ビールを飲んでいてアル中気味になり、カード払いしていたこのビール代も後々オレの経済状況に打撃を与えることとなった。