紀伊の音

ADHDクリエイター紀伊原ひろの器用貧乏なブログ

4年前に死にきれずに始めた創作活動の振り返り20 - 10年ぶりに歌った2021年秋

パート19

夏も終わり、9月上旬は毎年のことながら憂鬱な状態で何事にも手がつかず、タバコを何本も連続で吸いながらぼーっと同じ考えごとを繰り返すことが多かった。

 

例によってロゴデザインの仕事をするか、このまま無収入でやりたいことだけやるか迷っていたが、2021年はちょうど40歳になる年だったので2021年いっぱいはとことん音楽をやって、40で音楽は卒業しようと考えていた。

 

9月には2018年にレコーディングとミキシングの勉強を兼ねて録音した「黄金蝶」という曲(21歳の2002年に作曲)をリミックスし、アニメーションを作った。サビ部分のギター動画も公開した。

 

 

 

この曲は元々は穏やかな秋を表現した癒し系の曲だったが、レコーディングしているうちに趣向が変わっていき、夏祭りとヒグラシの鳴き声、夏の終わりの憂鬱、そして鉄道自殺まで表現したきわどい作品になっていて、喜びと悲しみと安らぎが入り混じっている。

 

オレは病気になっからはずっと、楽しんでいる時も心の奥では不安と抑うつ感を感じていて、躁鬱混合状態になっていることが多いため、意図せずこういう少し病んだ作品になったのだろう。元々のコンセプト通りに穏やかな秋の曲という設定にして動画も爽やかなものにすればもっと高評価も得られただろう。

 

9月後半には2020年にギター動画を公開した"Longtail Cocktail" (→Part16)のアニメーションバージョンを作った。

 

 

Cold Cheese (→Part17)の時もそうだったが、ギター動画でイイネを何千ももらえる見た目が良い女に嫉妬していたオレは「作品にもっと色気が必要だな」と考え、色っぽい雰囲気のアニメーションを作った。ちなみにオレは脚フェチのM夫で、ヒールで踏まれたいと思っている。

 

この時期は↓のような、即席で作った曲の断片のギターにガレバンのAIドラマーを付けた動画をインスタに投稿していた

 

そしてオレは23歳だった2004年にギター部分だけ作ったAmazake(雨酒)という曲にボーカルとアレンジを加えてリメイクすることにした。元々は梅雨の時期に書いた梅雨の曲だったが、秋にも合うなと思い制作に乗り出した。

 

若い頃にミュージシャンを目指すもいろいろあって挫折して引きこもり、腐った生活を送っていたが、2019年の春に「もったいないから20年間作ってきた曲を配信しよう」と思い立ち、最初は汚い1発録りのデモをインスタとSoundCloudに投稿する活動に始まり、その後ギターのレコーディングとミキシングの手法を学び、顔出したくないから音楽用のアニメーション制作を学び、結局顔から下を映したギター動画をやりはじめて2020年にはグラサンをして顔も写すようになり、2年間でそこそこまともなクオリティの作品を作れるようにはなったが、全部歌の無いインスト曲だった(サンプル音源を使ったコーラスは入れたが)。ロックやシンガーソングライター系の場合はやっぱり歌がないと印象も弱く訴求力に欠けるため、いい加減ちゃんと歌がある曲をやりたいと思っていた。

 

それまで歌を入れなかった理由についてはパート③に書いているので省略する。

 

数年前にAppleの「Music Memos」という、ギターに合わせて自動でベースとドラムを付けてくれるアプリ(今は無くなってしまった)を使って作ったデモがあったので、それに合わせてチャリに乗りながらボーカル用のメロディを考え、その後コーラスも付けた。せっかくだからそのデモをBandCampで限定公開した。(↑のアルバムの2、3曲目)

 

洋楽に影響を受けてずっと英語のオリジナル曲をやりたいと思っていたが海外に行くこともないまま病気になって引きこもりになったオレは自信が無くてずっと躊躇しててサンプル音源を使ったりしてきた。しかしそういう遠回りな手法もめんどくさくて馬鹿らしくなり、やっぱり自分で歌いたかったし歌うのが好きだし、自室に引きこもって音楽アプリばっかりいじってると鬱になって顔つきも犯罪者みたいになるし、声に出さずに頭の中で考えばかりいるうちに統合失調症を発症してしまったオレとしてはメンタルケアのためにも大声で歌う必要性を感じていた。ボカロなんて統合失調症になるだけだから腹の底から声を出して自分の思いや考えを自分で歌ったほうがいい。やっぱりボカロユーザーの多くは犯罪者みたいな顔をしてるっていうか、ボカロ自体が犯罪だと思っている。

 

10代の頃から洋楽や洋画のモノマネをしながら密かに発音の練習をしてきたオレは中途半端に英語の発音が出来るようになっていた。

 

試しにiPhoneのメモ帳で英語で音声入力したところ、65点くらいの精度だった。RLの区別がない日本人としてはやはりRに苦戦することが多かった。

 

日本語で書いた詩をGoogle翻訳し、メロディに合わせながら修正していき、英語の歌詞を作成した。海外の英語学習フォーラムやFacebookグループに助けを求めようとも思ったが、Google翻訳とWeblio、国内の英語学習サイトだけで間に合った。

 

河原や、海辺、高速道路の下、人の少ない平日午前の公園などで歌の練習をし、録音したところ思いのほか良い感じだったので本番録りをすることにした。

 

iPhoneに繋いで直接録音出来るギターとは違い歌をちゃんと録音するにはスタジオに行く必要があった。スタジオには20代前半の頃に友達と趣味のコピーバンドをやっていた時の楽しい思い出もあれば、バンドメンバーを募集して会った人の前で人見知りとコミュ症が出てしまった苦い思いでもあったが、とにもかくにも15年ぶりにスタジオに行くことにした。以降20231月現在までたびたびこのスタジオに通うこととなる。

 

つづく

 

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©Hiro Kinohara
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