紀伊の音

ADHDクリエイター紀伊原ひろの器用貧乏なブログ

4年前に死にきれずに始めた創作活動の振り返り19 - 日に焼けた音楽の2021年夏

パート18

しばらくの間は「Passchord Rock」というアカウント名やチャンネル名でSNSYouTubeをやっていた(→Part⑨) が、もうロックなんて聴く歳でもなくなり、ジャズとかヒーリング、最近流行りのチルアウト系ばかり聴くようになり、音楽好きの女友達が「ロックは幼稚でダサい」とか「聴き手が主役になれるような音楽が好き」と言っていたのを思い出し、確かにロックとかベートーヴェンとかADHDとか躁病の奴らって自己主張とか承認欲求が激しくて幼稚だよなあと思い、ロック系の音楽はまだ作っていたが大人になろうと思って音楽性の変化に伴いチャンネル名も「8° BEAT」に変更することにした。ちなみにロックはロックでも内省的で哲学的なロックなんかは未だに好きでときどき聴く

 

以前の音楽用YouTubeチャンネル名「8°BEAT」

 

8° BEATという名前は、ADHDで注意散漫で常に自分の周り360°全方位が気になって気になって仕方がなくてタスクに集中出来ないオレも、ギターを弾いてる時には集中して没頭できてフロー状態に入りやすい、ということに由来していて、「目の前のの領域(タスク = ギター)だけに集中して作った音楽」という意味になっている。

 

音楽以外のこともひとたび集中し出せばADHDの過集中モードに入れるが、まずそもそも集中に入るまで何時間もかかったり、周りが騒がしいとまったく集中出来ないから耳栓をしたりイヤホンで音楽を聴く必要がある。それに対して音楽は音を鳴らしたり聴きながらやる作業だから、周りの音も気になりにくくなる。そういうわけで性欲を鎮めてくれる音楽は性欲を掻き立てる女と同じくらい大好きで、出来れば音楽で金を稼ぎたかったがそこはもうほとんど諦めていた。

 

一方で、音楽を聴いたりギターを弾いてない時には注意散漫でキョロキョロしていろんなことが気になり、今心配しなくてもいいような心配事までいちいち思い出して心配し始めたり、考えなくてもいいようなことまで考えてしまう。スーパーで買い物してる時に棚の前でぼーっと立ち止まって哲学的なこととかビジネスアイデアとかについて考えこんだりする。(側から見たらどれを買うか悩んでるように見えるが実際には全く別のことを考えている。)金を稼がないと明日にでもホームレスになってしまうような状態でも「どうすれば世界は平和になるのだろうか」なんて考えたりする。

 

そういう風に仕事もせずにこの世界を360°キョロキョロ見渡しながら普通の人がほとんど考えないようなことを考えたり、ビジネスやアプリやこの世のいろんなシステムに関するアイデアなどを考えたりしてるオレは「そもそもこれがオレの仕事だな」と考え、そういう考え事やアイデアをシェアするためのブログかYouTubeもやりたいと考えていて、そのブログの名前を、360°から(音楽に集中出来る)8°を引いて「352° Blog」と名付けた。

 

紀伊の音ブログの前身、352°Blog

 

だが時間がなかったり完璧主義で批判を恐れ先延ばしする癖もあり、考えごとシェアリングは2022年後半になってようやくこのブログで少し実現した。(結局352°は廃止にしてKeynoteをモジったKiinoteに変更した)

 

いろんなことに同時に手を出した結果、2年間創作活動に励んでもほとんど成果を出せず、その反省から「2021年は音楽に専念しよう」と決めたオレは上記の352°の着想もいったん保留にし、音楽に専念していた。

 

春からチャリに乗り始めたオレは夏になってもギターを担いでチャリに乗っていろんな所を疾走し、公園や河原などでギターを弾いていた。例年通り、夏になって自律神経も良くなっていた。

 

この夏には、オレが発狂してhideの真似をしてドアノブで首を吊ったが失敗して仕事を辞めて引きこもりになった24(2005)前後に書いた夏系の曲を2曲レコーディングして動画も作った。

 

 

 以前紹介した冬の曲「iScream」(→Part③)と「Cold Cheese」(→Part16)では冬になってから「冬系のこの曲を今年の冬のうちにリリースしたい」という欲求に駆られて着手し、結局なんやかんやと時間がかかってしまい、冬の終わりや春になってようやくリリースするという、ADHDによくある失敗をしてきたので「Sea Legs」に関しては6月半ば頃から着手していた。

 

もう覚えていないが2021年は梅雨が早く明けたのかもしれない。もし梅雨真っ只中だったとしたら絶対に梅雨っぽい曲をやりたい衝動を抑えられなかったのだろう。つまり、過去の失敗から学習したというよりは単に夏が早めに訪れただけだったのかもしれない。

 

冬の間、Cold Cheeseで制作に時間をかけすぎてしまったのでSea Legsは時間をかけないようにしたかったが、思い入れのある曲だったため、EQ設定にかなり時間をかけてしまった。

 

それまではギターの録音をMultiTrack Daw(通称 MTDaw)というアプリでやって、そのままMTDawでギターパートの編集とエフェクト掛けをやって、FL Studio Mobileにオーディオファイルをコピーして最終ミックスをするというやり方でやっていたが、MTDawがメジャーアップデートして一瞬でバッテリーが減るようになる等のバグで使い物にならなくなり、以前にも使ったことがあるN-track Studioというアプリでギターを録ることにし、N-trackの使い勝手をいろいろ検証したり、N-trackにもバグがけっこうあってその原因解明や解決に悩まされた、というのも制作に時間が掛かった要因となっていた。

 

FL mobileでもオーディオ(ギター)の録音は出来たが、FLは基本的に打ち込み系アプリで、さらに開発にそこまで力を入れてない(?)モバイル版だったので、オーディオ録音機能は簡素で使い勝手が悪かった(その後少し進化したが)

 

この曲はロー〜ミドルテンポのシンプルな曲で、トリッキーなリズムなどは必要なかったのでドラムやベースの打ち込みにはそんなに時間はかからなかった。ドラムはGarageBandAIドラマーでスケッチを作り、そのまま使えるパートだけ残して、あとは同じ音のドラムキットを使ってスケッチを参考にしながら手動で打ち込んでいった。ベースはほとんどギターの6弦と同じ音をなぞった。

 

ボーカル用のメロディラインもある程度考えてあったが、また時間がかかりそうだったし、ギターだけでも十分いい感じの曲だから、歌有りバージョンと歌無しバージョンを両方やりたいと考えていて、歌はまた来年の夏にやろうと思い、インスト曲としてリリースした。(動画はコーラスが入ってるが2022年にリメイクした物で、2021年にはコーラス無しでリリースした)

 

歌を入れなかったのもあり、音楽制作はCold Cheeseほどには時間はかからなかったが、動画のほうでまたちょっと凝ったことをやってしまい、時間をかけてしまった。

 

基本的にはもう制作に時間のかかるアニメーションなんかは辞めてギタープレイ動画をメインでやるつもりではいたが、この曲はギタープレイで魅せるような曲ではないのでアニメーションを作ることにした。

 

時間はかかったが6月から取り掛かったこともあり、7月の終わりにはリリースすることが出来た。

 

時間をかけた割には音もあんまり綺麗ではなく、コンプレッサーとリミッターを掛けすぎて暖かみのあるこの曲には合わない硬い音になってしまった。これならエレキじゃなくてシンプルにアコギでやれば良かったと後悔したが、そもそもアコギを一本も持っていなく、壊れたテレキャスターと、その代わりに買ってこの曲でも使った2万円台の安物ギターしかなかった。

 

リリース後、あんまり宣伝もしないままもう一つの夏曲「Breath of the Sea」の制作に着手した。

 

この曲はSea Legsよりもさらにシンプルで、アプリの使い方やバグもSea Legsで解決済みだったため、制作はスムーズに進んだ。

 

シンプルすぎるのでさすがにコーラスを入れようと思い、Cold Cheeseで使ったのと同じ、FL mobileに課金して買った女性ボーカル(Veela)のサンプル音源を使った。

 

出だし部分だけ少し凝って、海の精霊のような雰囲気を作った。普段はエフェクトを掛けることのないドラム(パーカッション)にもディレイを掛けてニューエイジっぽい雰囲気にした。ときどき癒やしを求めて聴いているニューエイジの代表格のエンヤにも影響を受けた。海の精霊のコンセプトは当時プレイしていたドラクエ7にも影響を受けたのかもしれない。

 

以前はYouTube用に横長動画を作り、インスタ用に正方形にトリムしていたが TikTokの勢いが増し、インスタとYouTubeTikTokの真似をしてリールやショートを導入し始めたので、縦長動画を作ってアピールしようと思い、縦長動画を制作した。一見凝っているように見えるが、すでに使い方を覚えていた動画制作アプリ(Video Star)を使ってパパッと仕上げた。ジャケット画像も動画も個人的には気に入っている。

 

2021年の夏はこの二作品の制作と、ちょっとした即興のスケッチを弾いたギター動画をインスタに投稿する活動でほとんど終わった。

 

つづく

©Hiro Kinohara
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