2021年の年明けから3月にかけては前回の終わりに挙げた「Cold Cheese(冷たいチーズ)」の制作に追われていた。
並行して一年前に制作したウィンタースポーツ用の曲「iScream」(→Part③)や、冬デザインのTシャツ(→Part④)の宣伝もしていた。
それ以外に何をしてたのかはもうよく覚えていないが、おそらくSNS戦略とやることリストの見直しなどの作戦会議やインスタでイイネしたりすることに時間を割いていたのだろう
「Cold Cheese」ではギターだけでなくベースやドラムも自分で一から打ち込み、主にデザイン業の為に今まで身につけたスキルを活かしてアニメーションも作った為、かなり時間がかかってしまった。
以前から「凝ったことをやろうとせずに、アイデア重視で音楽・ブログ・イラスト・youtubeなどを広く浅くやる」とは言っていたが、何かに着手するとつい難しく考えすぎたり凝ったことをやろうとしたり、細かい部分にこだわってしまったりするという癖がまた出てしまっていた。
「質より量」か「量より質か」で激しく迷っていたが、形にしたい曲がたくさんあったし、ADHDのオレが質を求めてもどうせ中途半端に投げ出してしまうことはこれまでの体験からも分かっていたので、基本的には「質より量、アイデアで勝負」しようと思っていた。(正確には質と量のさじ加減を模索していた)
「一曲だけでもクオリティの高い作品を作りたい」という想いもあった。「iScream」もかなり頑張ったほうだが、iScreamを含め今まで公開してきた曲は全て歌が無いインスト曲だったので、「Cold Cheese」ではボーカルを入れたいと思っていた。
ADHDのせいなのか、日本語よりも音節文字でリズム感の良い英語のほうが肌に合っていたオレは英語の歌を入れたかったが、自分で歌うには発音力も微妙だし自信がなかった。エレキギターはiPhoneに繋いで公園などで録音できた(アパートは楽器禁止)が、歌を入れるとなるとスタジオに行かなくてはならなかった。
スタジオ行く金も無くて面倒だったし、20代前半の頃にミュージシャンを目指してバンドメンバーを募集していたが、人と一緒にスタジオに入っても本当の自分を出せずに意見も言えず、人前でまともに演奏することも出来ずに挫折して発狂して首を吊ったことがあるオレとしては、当時を思い出しそうでスタジオに行くのは気が引けた。
なかなかフォロワーが伸びず、ただ単に他人が書いた曲を演奏するだけでイイネが何千も付く可愛かったりセクシーな女に嫉妬しまくっていたオレは、自分の作品にも色気が必要だなと考え、この曲では女性ボーカルを入れたいと考えていた。
インスタで繋がりのあった英語ネイティブの女性シンガーとコラボすることも考えたが、ボーカルを支持したりするにはメールじゃなくてビデオチャットのほうが良く、恥ずかしがり屋すぎるオレには無理だった。収益の分配とかそういう金のマネジメントもまともに出来ないオレとしてはその手の面倒ごとにも関わりたくなかった。英語で歌う日本人女性も何人かいたが、めんどくさくてやめてしまった。
そこでオレは女性ボーカルのサンプル音源を使って、歌詞の無いコーラスを入れることにした。少なくともCold Cheeseには合っていた。
直接この曲に影響を与えたわけではないが、20代の頃には80年代のニュー・ウェーブやポスト・パンク辺りもよく聴いていて、Cocteau Twins(コクトー・ツインズ)の"Treasure"という冬っぽくて妖艶なアルバムをよく聴いていて、Cold Cheeseを作曲した時にこのバンドを思い出し、夜の街中で15年振りに聴きながら冬の匂いを嗅ぎ、一人虚しくビールを飲んでいた。
「冷たいチーズ」というタイトルは、ドラクエ8に出てくるアイテムで、主人公が飼っているネズミに食べさせると吹雪系のブレス攻撃をしてくれる。ドラクエ8は全体的に冬っぽい雰囲気があって雪国も出てくるため、毎年冬になるとドラクエ8(スマホ版)をプレイしたくなる。
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氷点下の中ビスチェ姿でキラーパンサーにまたがるゼシカ姉さん |
まだ集中力ややる気を(ADHDにしては)保てていて、寒いこともあり外出せずに家で作業することが多く、2021年以降はもう外で花や風景の写真を撮ることも飽きてしまい、あまり撮らなくなった。