紀伊の音

ADHDクリエイター紀伊原ひろの器用貧乏なブログ

才能のある臆病者は必要以上に自虐的にならなくてもいい

オレ達は臆病者だ。言いたいことも言えないし、怒りの感情を出そうとすると手足がワナワナと震えて泣きそうになる。

 

そしてオレ達のようないわゆるHSPだったりPTSDだったり解離性障害な人物はちょっとした物音にビックリしすぎたり、虫とかにも過激なまでにびびってしまうし、人混みでパニックになり、歯医者みたいに身動きが取れない場面でパニック・過呼吸・解離症状が出てしまう。コンビニのレジの仕事すら出来ない。人と道ですれ違う時もいつもオレ達のほうから先に、それも必要以上に道を譲ってしまう。

 

当然のことながら基本的に自尊心低いし、ついつい自虐的・卑屈になってしまう。

 

だが臆病でヘタレなオレ達には面の皮が厚い人間には無い能力が備わっている。

 

芸術的才能があったり、相手の心を読んで気配りや共感出来たり、臆病であるがゆえに平和な世界を求めたり未来の危機を恐れた結果、世界を平和に導く哲学やシステムを考案したり。

 

本来ならそういう能力のある臆病者は自虐的になるどころかむしろ自信を持っていいんだけど、感じやすくて傷付きやすい心なんて社会生活を送る上ではデメリットしかほとんどないからついつい自信を失いがち。

 

かつてオレ達ミュージシャンは、インタビューで過激な発言をしたり、派手なパフォーマンスをしたりしなくてはいけない、曲が良いだけではダメだと言って、エンターテイナーであろうとした。だがエンターテイナーである為にはタフじゃなきゃいけない。そんなタフさを持ち合わせないオレ達は、せっかく才能があってもすぐ自虐的になり、平日の昼間っから酒を飲んで才ナ二ーに耽り出す。

 

だがよくよく考えると無理してエンターテイナーである必要もなく、人前で堂々と自分の意見を強気で発言する必要なんてなかった。そこまで出来ればスーパースターだけど、別にそれが出来ないからといってマイナスってわけでもなく、作品やアイデアを創造する能力と、ネットに堂々と顔出しして意見を言えない臆病性を合わせてプラマイ0になるだけだった。

 

ネット上でだけ粋がるのはダサいと言われるが、程度の問題で、自分のヘタレ性を素直に認めた上でほどよくネット上で粋がっちゃっても構わない。臆病者が匿名で成功者を叩いて炎上みたいなのはダサすぎるから、臆病者なりに自信を持ってオレ達みたいにコソコソとグラサンやマスクを付けてでも全然いいから自分のブログやYouTubeでほどよく粋がったらいい。

 

ある種の才能と、神経の図太さは相容れない物だから、図太くなくたって構わない。臆病者のヘタレでも全然構わない。誰にでも得手不得手があるし、弱みもある。

 

チキンだからって社会不適合者だからって貧乏だからって、必要以上に自虐的にも卑屈にもならなくていい。

 

逆に、作曲が出来ようが絵が上手かろうが、所詮は臆病者なんだから自信過剰になる必要もない。

 

全ての面で秀でてる必要なんてなく、ダメな所はダメ、天才な所は天才、それでいい。

©Hiro Kinohara
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