紀伊の音

ADHDクリエイター紀伊原ひろの器用貧乏なブログ

禁煙ブームに便乗して欲求不満を喫煙者にぶちまける輩が増えている


ここ数年でタバコ吸える場所がどんどん減り、タバコの値上がりも加速し、喫煙者への風当たりが厳しくなってしまった。首都圏では公園ですら全域禁煙な場所もたくさんある。

環境保護の動きもますます加速し、ビニール袋は有料化し、スウェーデン王国のグレタ・アスペルガー姫が話題になったりもした。(ちょーっと関わりたくないよね…) 企業もイメージアップする為に必死な感じ。まあ、SNSで見栄張ってカッコつけてるおれとしては気持ちは分かる。

そしてこういう流れに便乗するかのごとく、ほんの少しでもタバコの臭いがするってだけで、ものすごく怒りをぶちまける人が増えている。そしてさらにコロナがそれを一層後押ししている感じだ。

完全に禁煙な場所だったり、人が密集してる場所とかならまだ分かるんだけど、例えば禁煙じゃない広い公園、それも人がほとんどいない平日の午前中に、携帯灰皿もちゃんと使って半径10メートルくらいには誰も居ないような所で吸ってても、いきなり「環境汚すな!」とか言ってくる人が居たりする。無視して吸い続けてたら、「帰れ!」と言われてしまった。そこまで言わなくてもねえ。

あとはおれは禁煙でも何でもないアパートに住んでて、吸う時はちゃんと窓も閉めて換気扇付けてその下で吸ってるんだけど、そのあとで窓開けるからやっぱり残り香が少し臭うのだろう、隣のおっさんがものすごいデカい、当てこすりの咳とか咳払いをしてくるんだな。

こういう時私はついつい相手と同じようにカッとなって発狂しちゃったり、言い返せなかったりするが、時には冷静にカッコよく相手を説き伏せることもある。素の自分ではなく、そういうキャラを他人からお借りして、演じている。

自分のわずかながらの非も多少認めつつ相手に指摘する。相手があまりにも過剰すぎて極端だということ、ほんのちょっとした異臭でさえ無理だと言うならもう首都圏なんかに住まず、非禁煙の共同住宅にも住まず、環境を汚す工場で作られている工業製品も使わず、車もバスも乗るべきではないということを指摘する。

禁煙ブームに便乗して、ほんのり漂う程度のタバコの臭いを理由にして、他人を悪人に仕立て上げて、自分の個人的な欲求不満をぶちまけて八つ当たりしたいだけだろう、そもそもおれはそんなに悪人じゃない、正義ぶったつもりなんだろうけどそういう過剰な態度はかえって迷惑じゃないか? もう少し自分自身と向き合ったほうがいい、と言って説き伏せる。

この記事のポイントは、相手がいわゆるクレーマーとかDQNとかそういうタイプではなく、一応は法や規律にのっとって真面目に生きてるような、スポーツ観戦とかが好きそうな真面目なタイプ、責任感とか正義感が強いタイプだという点にある。

クレーマータイプであれば議論の余地はなく、地獄の底まで追い詰めて、死に追いやるだけで済む話。だが今回のように、一応は普段は良識的に常識的に生きている真面目なタイプが相手だとやりきれなくて、そういうタイプの人間に頭ごなしに否定されるっていうのが、かえっておれの怒りを促進してしまう。なぜかっていうと上述のようにおれが冷静に対処さえ出来ればおそらく分かり合えるはずなのに、それが出来ないっていう悔しさがあるし、そもそも何でこの人たちはせっかく真面目に生きてるのに、こういう時にちゃんと規範的で模範的な対応が出来ないんだ!君たちにとって悪人であるこのおれのほうがよっぽど冷静で大人な対応じゃないか!! という怒りが込み上げる。

そう、そしてクレーマーではなくスポーツマンタイプの人間に、必要以上に悪人扱いされてしまうことが何よりも悔しくて苦痛だ。スポーツといえば監督とかコーチ、そしてコーチングという言葉が連想されてくるんだけど、このコーチングってやつを今回のような、人に注意をするような場面で適切に出来ない人はさ、そもそもスポーツ観戦したりスポーツマンぶったりする権利もないんじゃないか、って思うんだよ。

正義感が旺盛なこの人々はさ、スポーツ観戦が大好きで、スポーツマンシップに則って規則正しくありたいと願うわけだ。で、そのスポーツをより美しく、よりハイレベルにする為にはだね諸君、1にも2にもまずはコーチングなんでさあ。適切に選手の欠点を指摘しつつも、決して自尊心を折らせることなく良い所を持ち上げ、褒め、伸ばし、やる気を起こさせる。そして、心身も技術もハイレベルな選手を育成し、競技を、よりハイレベルな次元へと成長させる。これがコーチングの醍醐味ってわけでさあスポーツの旦那。それだのに、コーチングが出来ない? タバコの残り香程度で感情的になってお終いかいな? そいじゃあもう旦那はスポーツでも何でもねえ、単なるクレーマーだとかフーリガンと一緒でねえか!迷惑なこって! ということになる。

この程度のコーチングも出来ない奴は子供を産むべきではない。

もしも貴方が良識的で健全な人間でありたいのなら、スポーツ観戦がしたいのなら、いい人、正義でありたいのなら、常識の範囲内の喫煙やタバコの臭いに過剰にヒステリックに反応しないこと。どうしても嫌なら冷静になって相手を思いやったコーチングをすること。そうすればおれたちのような、タバコ臭いんだけどそこまで悪人ではないような、話せば結構いい奴だったりするような奴らならちゃんと折り合えますから。
©Hiro Kinohara
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