紀伊の音

ADHDアーティスト紀伊原ひろの器用貧乏なブログ

子供がいて離婚考えてるなら早めに離婚したほうがいい


離婚は子供に悪影響を及ぼすが、もっとダメなのはズルズルと離婚せずに引きずってしまうこと。


子供の前で仲良しを演じ続けられるならそれでいいけど、不仲の両親の元で育つと、場合によっては離婚以上に悪影響を及ぼす。

どんな悪影響かっていうと、完全におれ自身の体験なんだけど、うちの両親はしょっちゅう喧嘩していて、両親からお互いの悪口を聞かされてきて、その度にビクビクしながら気持ちを汲み取って、そっちの味方をする、という生き方をしていた。ある時は母親に共鳴して、ある時は父親の味方をして、という具合に。

そうやって過度に親の気持ちや意見を汲み取ろうとして生きていると、そういうことを他人にまでするようになってくる。

子供なんて親の気持ちを汲み取ろうとするもんなんだけど、それが許容範囲だったり一貫性があったり、正しい方向性の汲み取りならいいんだけど、両方の、性別も価値観も違う別々の人に過度に同調しようとして育つと、いわゆる"自分軸"とか自分の意思とか、集中力とか持久力が育たず、おれのように意志が弱く他人の影響を受けやすく何色にでも染まり、自分の気持ちも分からないような人間になっていく。自己同一性の確立に失敗する。

周囲のありとあらゆる人間の感情を汲み取ろうとしたり、価値観に同調しようとしたりして、すぐにパニックに陥ったり、疲れたり、鬱になったりするようになる。他人の意見にものすごく過敏になる。

そして後天的にADHD(注意欠陥多動性障害)になったり、鬱や躁鬱などの気分失調症を発症したり、最悪パーソナリティ障害(旧・人格障害)になってしまう。両親のケンカにビクビクしてるうちに空想の世界に逃避するようになり、統合失調症(妄想癖)や解離性障害になったり、解離性同一性障害(多重人格、実際には確立された人格を一つも持たない人)になっていく。

離婚環境でももちろん上記のようになるリスクはあるが、場合によっては全く逆に意志の強い人間になれることもある。それは離婚後、ついていった側の親との関係が良かった場合。

気持ちを強く汲み取るとしても、片ほうの親の気持ちや価値観だけだから、その親自身がすでに一貫性のない人格障害的な人間でない限りは気持ちや価値観にある程度の一貫性があるから、子供の方も一貫した意思を持ちやすくなる。特に、親を助けたいという気持ちを持続出来れば、たくましく育つこともある。兄弟姉妹とも仲がよければさらに強い人間になれる。離婚環境そのものが、兄弟姉妹の連帯を促すこともある。

おれ自身、もしも子供の頃に親が離婚して母についていったら、母を助けようと思って、強くなれたかもしれない。兄弟とも仲良くなれたのかもしれない。

しかしうちの親は離婚しなかったので、おれはカメレオンのように目の前の人間に合わせて人格や顔や声を使い分ける、でたらめな人間になってしまった。

この記事に書いたとおり、おれはイギリスのロックバンドのオアシスのファンだったんだけど、そのバンドの中心人物のギャラガー兄弟も父の暴力が原因で離婚した家庭で育ったんだけど、子供たちは母親についていき、母を楽にさせようと努力して兄弟でバンドを組んで、強い意志で努力を続けて成功した。感動的だよなあ。母もバンド活動は否定せずに支持してたからこその成功だろう。そして何より兄弟が居たのがデカい。これでもし離婚してなかったら兄弟もバラバラになってたんじゃないかな。「俺がいちばん殴られた」とかいって被害妄想し合ってたかもしれない。

それとは対比的に、これまた同じ90年代のロックバンドのニルバーナのカート・コバーンも離婚家庭育ちなんだけど、母親はバンドをやることに反対してたりしたみたいで、男兄弟もいなくて妹だけで、結局、極度にシャイでネガティブな人間になっていき、27歳で自殺した。

そんなわけで、とりあえず子供がいて離婚考えてる人はさっさと離婚しよう。そして子供のやることを支持して、たくましく育てるように頑張ってください。そして子供の前で被害妄想をぐちぐち言わないこと。

では頑張ってください。
©Hiro Kinohara
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